週に1回程度テニスをしている一般のテニス愛好家の場合、プロに比べて圧倒的に練習量が少ないので、調子を崩しやすいです。いつもの練習の時も、ウォーミングアップから調子良く打てる状態に持っていくのも案外大変です。特にストロークでフレームショットを連発してしまうようになると、練習相手にも申し訳ないですし、その日の練習も不完全燃焼になりやすいですね。試合であればなおさら悔しい思いをします。
テニスのストロークでフレームショットが多い時の改善方法について紹介します。
スピンを打つ時にしたフレームに当たる
テニスの中級以上ならば、しっかりスピンをかけて打てる人が多いです。スピンをかけるにはラケットが下から上方向にスイングしている中でボールを打つ必要がありますので、少しタイミングが早いとラケットの下フレームに当たって、上方向にボールが飛んで行ってしまうことがあります。
ロジャー・フェデラーの試合をテレビで見ていても、スピンをフレームショットしてすっ飛んでしまうところを何度も見たことがありますので、これはスピンのミスショットの典型的なパターンであることがわかります。
もちろん、テニス界のレジェンドのロジャー・フェデラーのミスショットは、テレビ中継されるようなグランドスラムの試合の中でのミスショットなので、相手選手もフェデラーからポイントを奪うために必死で打ちにくいところへ打った時に起こっています。一般のアマチュアの練習時のミスショットとは次元が違います。
しかし、難易度は違っても、下フレームに当たってボールが上に飛んでいってしまうという現象としては同じです。修正して目指すべき方向性としては、ラケットの真ん中のスウィートスポットに当てられるようにすることに尽きます。
まずスピンを打とうとして下フレームに当たり、上に飛んで行ってしまうならば、スイング方向が下から上になっているので、正しいスイングになっていることは理解しておきましょう(*もちろんスピンを打つための基本を習得できているという前提です)。つまり、スイングを変えようとするのではなく、タイミングを合わせる努力をすれば修正できます。
ちなみにスピンを打とうとして練習中に上フレームに当たってしまう人は、すでにスピンをマスターできている人の中ではあまり見かけません。これは完全に振り遅れだからです。試合で相手の打ったボールが想像していたよりも速かった時に、上フレームに当ててしまうことはありますが、練習でそのようなボールを打たれることはあまりありませんので少ないようです。
またスピンをかけようとするとそれなりにスイングスピードが必要なので、それも速くスイングし過ぎて下フレームに当てる原因の1つになります。
練習時の改善方法は、まずは少しボールスピードを落とし、スイングスピードもそれに合わせて落として、ラケットの真ん中で捉えることに意識を集中しましょう。コツは、後ろ足の位置決めと踏み込みでタイミングを取ることです。
ストロークは、ユニットターンをし、後ろ足を踏み込んでコート面を蹴り出すところからスイングの運動連鎖が始まります。腕や手先でタイミングを合わせようとするのではなく、後ろ足の蹴り出しのところからタイミングを合わせるようにして、腕に力が入り過ぎないようにすれば、無理なくスイングできてヘッドスピードも上がります。
したがって、力み過ぎず、運動連鎖の中で打点で「ミートする」意識で打てば、無理なく打てます。必ず後ろ足でコート面を蹴り出してからミートするので、姿勢が後傾することも無く、ボールに力を伝えやすくなるでしょう。
下フレームに当たるのを試合中に修正する場合
スピンを打つ時にしたフレームに当たるのを練習中に修正する方法について上で紹介しました。いつもウォーミングアップの時に、最初はボールスピードを落としてラケットの真ん中で打つことを意識して調整する習慣をつけると良いでしょう。その方法も前述のようにスイングの運動連鎖を意識して行うようにすれば、スイングが安定します。
しかし、試合中にどうしても下フレームに当ててしまうミスショットが増えた時には、練習中とは異なり、少しでもミスを減らすことを優先しなければなりません。そんな場合は、無理して強いスピンのショットを打とうとせずに、回転を抑えめにしたドライブを選択する方がリスクが低いです。
スピンに比べるとドライブのスイングは上下の動きが小さく前後の動きが大きいので、フレームショットは減らせます。スピンがかからない分、軌道が長くなりやすいので、ネット上を通過させる高さを低くする、スピードを抑えるなどの調節は必要です。
試合ならば無理して調子の悪いスピンを打たずにドライブを打てば問題ありませんが、「自分の軸となるショットはトップスピン」ということでやはりスピンを打ちたいということであれば、ドライブから少しずつスピンを強くしていくことでタイミングが取れるようになることもあります。
練習と違って試合では、コートのサーフェイスの影響、相手の球筋の影響などで調子を崩しやすいので、まずは安定して打てるショットを多用し、徐々にこれらに慣れてきたところでスピンを強くかけるなどしていくと良いでしょう。
ラケットの根本・先端のフレームに当たる場合
ラケットの根本や先端のフレームに当たってしまうこともあります。これらの場合、必ずしもフレームショットにまでならなくても、スウィートスポットを外してラケットの根本側や先端側の部分で打ってしまうことも多くなります。
通常のラケットであれば、スウィートスポットで打った時と比べてスウィートスポットを外して打った場合は飛びが悪くなりますので、短く底力が無くなり、相手のチャンスボールになってしまうことがあります。もちろん、完全に相手の意表を付いたドロップショットのようになって決まることもありますが・・・。
スウィートスポットよりも根元側あるいは先端側に当たってしまう原因は、ボールとの距離感がずれてしまっていることが原因の1つです。相手が打ったボールがそれほど厳しくない場合は、打点への入り方、ボールとの距離が近づき過ぎあるいは遠すぎないか確認しましょう。その時も後ろ足の位置決めがポイントになります。
もう1つスウィートスポットを外す原因となるのは、相手のショットのサイドスピンです。まずサービスをリターンする状況ならばよくあるのがスライスサーブの打ち損じです。イメージしたよりもボールが曲がって逃げていき、ラケットの先端部分で打つこともあります。またボディに食い込んでくる時は根本付近で打ってしまうことがあります。
テニスは威力のあるサーブであればサーバーが有利なスポーツですので、慣れるまでうまくリターンできなくてもそれほど心配する必要はありません。試合であってもリターンゲームが1回だけではありませんので、相手のサーブに慣れてきてからしっかり打ち返せれば十分に勝機はあります。
ロジャー・フェデラーは、試合でも同じサーブはほとんど打たないと言われるほど、スピード、コース、回転量などをサーブごとに変えながらほとんど同じフォームで打ちます。それ故、単純にスピードが速いだけのサーブよりも格段に対応しにくく、世界最強のサーブとも言えます。
しかし、一般のテニス愛好家がそのようなサーバーを相手にすることは考えられず、通常は2〜3種類ぐらいの球種で、コースもセンター、ワイド、ボディの3種類程度です。ファーストサーブとセカンドサーブごとの傾向まで分析すれば、かなり狙いが絞れます。スライスサーブの曲がり方も慣れてくれば捉えられるでしょう。しっかり、ボールの軌道を予想し、対応できるように調節しましょう。
サービスに比べるとスピードは遅いのですが、相手がスライスを打ってきた時はサイドスピンがかかっていることがあります。相手のフォームやボールの軌道から予測するしかありませんが、ある程度ボールが変化しても対応できるようにストロークのスピードを落としてつなぐ意識で確実に返すことを優先しましょう。
まとめ
テニスのストロークでフレームショットが多くなる原因と修正方法について紹介しました。原因がわかれば修正も早くなります。練習中や試合中でもすぐに修正できるように、原因から理解しておきましょう。
テニスのラリーを続けるコツについてこちらの記事で紹介しています!
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