本記事では、テニススクールの中級レベル程度の方を想定してテニスのサーブの打ち方について解説しています。
すでに180km/h以上のサーブを打てるような上級者の方には、当たり前のことかもしれませんので、ご理解いただければと思います。
テニススクールの中級レベル程度のプレーヤーの場合、サーブは入れられるとしても、ボールに強く回転をかけられない、回転を重視するとかすれた当たりになってスピードが出ないと悩むことが多いです。
基本的には、ボールに回転をかけながらもスピードを出せるような打ち方をしなければそのようなサーブになりませんし、逆に言えばそのような打ち方をすれば誰でも回転とスピードを両立したサーブを打てます。
さらにレベルアップしていくために、そのようなサーブの打ち方をマスターしましょう!
ポイントは、プロネーションと打点の前後方向に位置にあります。プロネーションを上手く使えればスピードアップしやすくなり、打点を前すぎないようにすれば回転をかけやすくなります。
以下に解説します!
テニスのサーブの打ち方!回転とスピードを両立できるのか?
プロの男子のテニスプレーヤーならば、180km/h以上のサーブを打つのは普通ですし、トッププロならば200km/h以上のサーブを打つのも珍しくありません。
身長2mぐらいの背の高い選手は別として、日本人選手では身長180cm未満の方も少なくありません。平均的な日本人の身長レベルの選手でも高速のサーブを打って、フォルトにしないでしっかりと入れられるのは強い回転をかけているからです。
物理的に考えて、平均的な日本人の身長での打点から直線的なサーブを打った場合、スピードが上がるほどサーブが収まらず、フォルトになります。
確率良くサーブを入れるためには、縦回転をかけてボールを落下させることが必要になるわけです。その点に注目してトッププロのサーブを見ると、かなり強い回転がかかっていることがわかるでしょう。
少し古い話になりますが、レジェンドであるピート・サンプラスは、強烈なサーブとボレーで当時の世界最高峰でした。ファーストサーブもよく見るとかなり縦回転がかかっています。
そしてファーストサーブと大差ないほどの威力とされたセカンドサーブは、特に強烈な縦回転がかかっており、最強のセカンドサーブとも言われています。
トッププロでも、無回転に近いいわゆる「ドフラット」なサーブはほとんど打たないということです。
しかし、テニススクールの中級レベルのプレーヤーが、強い回転をかけることを意識して打つと、当たりが薄くなり、スピードが出なくなりがちです。
つまり、回転とスピードを両立することができないプレーヤーが多いです。その大きな原因は、「ボールの端をこするようにして回転をかけようとする」ことにあります。
こする打ち方では、どうしてもスピードがある程度以上には上がりません。しっかりラケット面(ガット)をボールにぶつけるようなインパクトが必要です。
プロネーションが必要!皮むきではダメ!
縦回転が必要という話をしましたが、まずわかりやすく説明するためにスライスサーブについて解説します。スライスサーブについても、ボールの斜め上を打てば縦回転の成分が発生するので問題ないためです。
スライスサーブを打つ時に、右利きならばボールの右側にラケットを当てます。初級〜中級レベルでよくあるのが「リンゴの皮むき」サーブです。
少し右側にトスを上げ、ボールの右側をこするように打ち、インパクト後のフォロースルーまでボールを打った側のラケット面が自分の方を向いているようであれば、「リンゴの皮むき」的な打ち方になっている可能性があります。
ボールスピードを上げるために必要なのはプロネーション(=回内)です。スマッシュを打つときのようにしっかりプロネーションを使えば、インパクト後のフォロースルーでボールを打った側のラケット面が自分の方ではなく外側を向くことになります。
まずこのプロネーションが使えているかチェックしてみましょう。
インパクトのタイミングとグリップ
スマッシュのようにプロネーションをしっかり使って打つと、フラット気味のサーブになって回転がかからないという方が少なくないでしょう。
ではどうすれば良いのか?ポイントはインパクトとプロネーションのタイミングです!
プロネーションの初期にラケット面が斜めの状態でインパクトすることが重要となります。スマッシュを打つようなタイミングでインパクトすると、プロネーションでラケットが動き、フラット気味にボールをインパクトしてしまいます。
プロネーションの初期で斜めの面でインパクトできれば、その後にプロネーションが進んでいってもボールはすでにラケットから離れているため、ボールに影響はありません。
プロネーションを使うことでラケットヘッドのスピードが上がり、ボールスピードを高めることができます。そしてラケット面が斜めの状態でボールをインパクトしていれば、(右利きならば)左方向にボールが飛び、かつ回転がかかります。
つまり、サーブの回転とスピードが両立できるわけです。
このようなインパクトをやりやすくするためには、トスを前に上げすぎないことと、コンチネンタルよりもバック側の薄いグリップにすることです。
トスを前に上げすぎると、プロネーションが進んでラケット面が前を向いたところでインパクトを迎え、フラットなサーブになってしまうためです。ここで言う「前」は、ベースラインよりもコート内の方向です。
通常は、ベースラインに対して半身の状態でサーブのスイングをスタートしますので、体に対して前というとベースラインの伸びている方向と誤解されることもありますが、ここではベースラインからネットの方向を前と言っています。
少し後に上げれば、プロネーションの初期段階でインパクトしやすくなり、インパクト後にさらにラケットが上に上がるようなスイングの途中となるので、自然に縦回転もかかるようになります。
さらにコンチネンタルよりもさらに薄いグリップにすれば、ラケット面が斜めの状態でインパクトしやすくなります。
以上の内容について以下の動画でわかりやすく解説しています。
それが難しければ、まずはラケット面の真ん中でインパクトすることから始めれば大丈夫です。
テニスのサーブのトロフィーポーズについてこちらの記事で紹介しています。
コメント