テニスのトッププロのシングルスの試合では、サーバーが圧倒的に有利で、どちらがブレイクするのかによって勝敗が決るケースが多いです。
中級者レベルの試合では、必ずしもほとんどの人がそこまで強力なサーブを打つわけではありませんので、リターン側が有利なことも少なくありません。それだけに、ある程度以上のレベルのサーブ力を身に付けることができれば、試合を有利に進めることができます。
上級者を目指すならば、改めて自分のサーブを作り直すつもりでワンランク上の打ち方を習得しましょう。
上級者になるためのサーブの打ち方を習得するために、以下の3つのポイントを紹介します!
1.自分に合う良い打ち方を見つける
2.基本は1つの打ち方
3.コースと球種で相手を翻弄する
さらに詳しく解説します!
上級者になるためのテニスのサーブの打ち方!
テニスのポイントはサーブから始まりますので、テニスの試合をするならば全員がサーブを打たなければなりません。
そのため初心者でもサーブの打ち方を習いますが、もちろん最初から上級者のようなサーブを打てるわけではありません。
つまり、初心者から、初級、中級、上級とレベルアップするために、サーブの打ち方も少しずつレベルアップし、威力のある効果的なサーブを打てるようにしていく必要があります。
実際、トッププロでも、サーブを改良し、より強力なものにしていくのは普通のことです。したがって、中級から上級にランクアップするならば、サーブのレベルアップをしましょう!
自分に合う良い打ち方を見つける
サーブをレベルアップするためには、まずどのような打ち方を習得するのかを明確にする必要があります。
「そんなことを言われても、どんなサーブの打ち方が良いのかわからない!」という方も多いでしょう。
おすすめポイントは、「身体への負担ができるだけ少ない打ち方」と「多くの球種を打てる打ち方」です。
テニスのいろいろなショットの中で、サーブの打ち方が原因で怪我をする確率は非常に高いです。
サーブは、唯一相手からのボールを打ち返すのではなく、すべて自分のペースで打てるので、それで怪我をしやすいのは少し不思議な気もします。
自分のペースで打てるだけに、個性的なフォームで、力任せに打つことで怪我をしてしまうようです。とにかく威力のあるサーブを打つために、力一杯打とうとすると、身体に負担がかかりやすいです。
このことから理にかなった効果的な身体の使い方をして、無理なく威力のある打ち方をできるようなフォームが理想的です。
2mぐらいの高身長の人のみできるような上から叩きつけるような打ち方は、そのような身長のある人以外は無理です。
多くの人におすすめしたいのは、ロジャー・フェデラーのサーブの打ち方です。スピンサーブを打つために極端に背中を反らせることもなく、超高速サーブを打つために無理に力んだりもしていません。
何よりもあれほど長い期間、テニス界のトップで活躍し、大きな怪我をしなかったことが、理にかなったフォームであることを証明しています。できるだけ身体への負担が少ない、理にかなったフォームでなければ、あれほどの試合数をこなすことはできないからです。
またロジャー・フェデラーは、ほとんど同じフォームから、様々な球種のサーブを打つことができ、1つの試合中に全く同じサーブ(*コース、球種、スピードのすべてが同じ)をほとんど打たないとも言われています。
一見同じコースに来たサーブのように見えても、球種が違ったり、スピードが違ったりして、相手にサーブに慣れさせないようにしています。これは驚異的ですね!
もちろんロジャー・フェデラーと全く同じように打つことなどできませんが、その基本的な部分だけでも習得できれば、いろいろな球種に発展させることができるということです。
基本は1つの打ち方
フェデラーのサーブのフォームを見ると基本的に1つのフォーム、すなわちほぼ同じフォームで様々な球種のサーブを打てます。
もちろん異なる球種を打つわけですので、厳密な意味で全く同じというわけではありません。一見すると同じに見えるように、わずかに身体の軸の傾きを変えたり、ラケットのボールへの当て方を変えたりするだけで、様々な球種を打ち分けているわけです。
まずはこちらのモリス@海外テニス情報のフェデラーのサービス動画を見て、フォームを詳しく観察してみましょう。
スタンス、トスアップ時からインパクト、フォロースルーまでの身体の軸、腰と肩の回り方、腕の振りなど1つずつチェックしてみましょう。
何回か真似をしてみて、おおよそのイメージがつかめてきたら、腕の振りに注目してみましょう。腕を振るスピードが上げられるほど、ヘッドスピードが速くできる可能性があります。
そのため、力んでとにかく腕を速く振ろうとしてしまう方もいますが、これでは怪我のリスクが高くなります。身体全体を使って、無理なく、スムーズに腕を振ることを心がけましょう。
まず理解しておきたいのは、ラケットを持つ腕が通過する軌道です。インパクト付近で、腕と頭はある程度離れています。
サーブを高い打点で打とうとして、腕をできるだけ上に伸ばし、腕と頭が近づいてしまう人もいますが、これは間違いです。身体の構造上、腕(*肩から肘までの部分)は斜め上方向に伸ばした方向となります。
野球の投手の投球時の投げ方を見ても、腕(*肩から肘までの部分)はインパクト時で斜め上方向を向いており、頭に非常に近いところを通過することはありません。
テニスのサーブでは、インパクトに向かって腕を振り上げていく時に胸が上方を向き、身体の軸が少しコート内方向に傾きます。
さらにラケットのグリップを握っている関係上、腕の方向とラケットの方向の角度がありますので、少し複雑に見えます。
ここまでの説明を読んだ上で、再度、上の動画を見てみると、腕を身体の軸に対して斜めの角度で振り、身体の軸を少し傾けて打っていることが確認できるでしょう。
これが習得したいサーブのスイングの基本です。
いきなりこのサーブのフォームを習得することが難しいと感じる方は、動画の2:29頃に収録されているスイングの練習から始めると良いでしょう。
これは、フェデラーがサーブのウォーミングアップをしているところを収録したもので、非常にリラックスした感じで、軽くスムーズにスイングしています。
試合でのフェデラーのサーブでは、ジャンプして打つのですが、ウォーミングアップではジャンプしないで打っています。腕は身体の軸に対して斜め方向の軌道を通過し、インパクトの感覚を確認するように打っています。
それでもスムーズに見えるのは、身体の捻りも使っていて、下半身から上半身、腕、リスト(プロネーション)までの運動連鎖を正しく使っているためです。インパクト後に右足が前に出ているところからも、運動連鎖を正しく使っていることがわかります。
普段、サーブの練習を開始する時にもこの打ち方を真似てみましょう。リラックスしてスイングしても、正しく運動連鎖を使ってボールを捉えていれば、それなりにスピードがあるサーブが打てることがわかります。
中級レベルであれば、まずはジャンプしないでサーブを打っても、十分に試合で通用するサーブになります。シングルスの試合をすると、かなり多くのサーブを打たなくてはならず、さらに大会などで1日に数試合することになると、ジャンプしないでサーブを打つだけでもかなり体力の節約になります。
もちろん、それに耐えられる体力を付けるのが王道ですが、ほとんどのアマチュアプレーヤーはそこまで体力はないので、できるだけ効率よく打てる方法を模索するのも価値はあります。
また疲れてくると、サーブの時にジャンプする高さがぶれたりすることも多く、それがサーブの精度に影響を与えます。安定させるという意味でも、ジャンプしないか、あるいはジャンプするとしても何回もサーブを打っても同じようにできる程度のジャンプにするという方法がおすすめです。
スイングの軌道については、月刊テニスマガジン 2021年3月号に詳しく解説されています。フェデラーのサーブの連続写真も掲載されていますのでおすすめです!
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コースと球種で相手を翻弄する
上級者のサーブを目指そうとすると、とにかく高速サーブを打とうとする方もいます。もちろん、高速サーブを安定して打てれば良いのですが、緊張する試合であるほど、高速サーブを安定して入れることは難しく、フォルトが増えます。
まずはスライスサーブまたはスピンサーブを安定してコースに打ち分けられるように練習しましょう。例えば、そこそこのスピードのスライスサーブを、センターとワイドに打ち分けられるようになるだけで、リターンは対応が難しくなります。
さらにボディも打ち分けられれば、3択ということになるので、リターンを狙って打ち込むことも難しくなります。
上で述べたサーブは「基本は1つの打ち方」ということがここで活きてきます。スライスサーブとスピンサーブをかなり異なる打ち方で打ち分けるのではなく、「1つの打ち方」で身体の傾きやボールの当て方を変えて打ち分けられれば、相手が球種を見分けることが難しくなります。
またあまりスライスとスピンのキレを追求しなくても、バウンド後の変化の仕方を少し変えるだけで、リターンが難しくなります。特に、同じコース・同じスピードでボールが異なる変化をするならば、かなり相手は混乱するでしょう。
またあえて遅いサーブも混ぜるとタイミングを取ることが難しくなります。
フェデラーのサーブは、このような考え方の究極とも言えるもので、サーブのスピードで勝負しているわけではありません。
フェデラーと同じように打つことは無理でも、相手も同じレベルならば十分に通用するはずです。速いサーブを打つことだけに固執しないようにしましょう。
強いサーブを追求し続ける
冒頭でも述べましたように、トッププロでさえ、より効果的なサーブを求めて練習しています。アマチュアの中級レベルであれば伸びしろはたくさんありますので、サーブを変えていくことを怖がりすぎず、より強いサーブを目指して練習しましょう。
その時にやみくもに練習するのではなく、どのようなサービスを目指すのかを明確にして取り組みましょう。
ここで紹介したフェデラーのサービスは、多くの人が参考にできる模範的なものです。様々な球種に対応できますし、基本的な部分を大切にすれば、体力と技術に応じて(ジャンプしないなど)簡略化することもできます。
おすすめです!
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