テニススクールでは、ショートラリーやボレーボレーの練習に続いてボレスト(ボレー&ストローク)の練習を、ウォーミングアップを兼ねて行うことが多いです。
ボレーが安定して打てない方にとっては、ラリーが続かず、ストレスの溜まることがあります。ボレストのボレーのコツなどについて紹介します。
ボレストのボレーについて
ボレストのボレーは、ボレーの練習であることは誰もが理解しているところですが、まずはボレストの練習が通常はウォーミングアップとお互いのショットの確認のためのものであることを理解しておく必要があります。
トッププロの試合のテレビ放送などを観ていても、試合の直前に、試合が行われるコートでボレストをしているところがよく放送されています。プロは、試合のコートに入る前に通常は十分にウォーミングアップと練習をしていますが、やはり試合のコートでのウォーミングアップとショットの確認をします。
テニススクールなどでは、準備運動などをレッスンが始まる前に各自行い、その後、ショートラリーやボレーボレーをやってからボレストをやることが多いです。怪我をしないように、ボールスピードが遅いメニューから練習し、身体を温めていきます。
ボレストになると、ストロークのスピードはそれなりに速くなりますが、ストローカーもウォーミングアップという意味を理解してある程度スピードを抑えて打つべきです。
ボレーヤーも、決めボレーではなくて、ストローカーが打てるようにボレーを打ち、ラリーを続けます。
まずはボレストは、ウォーミングアップとショットの確認という位置づけということを理解しましょう。
ボレストのボレーの打ち方
上記のことを理解すれば、ボレストのボレーを打ち方は必然的に決まります。基本的にはベースラインの少し後方にいるストローカーが打ちやすいような長さのボレー、つまり、ベースライン際でバウンドするようなボレーをある程度のスピードを抑えて打ちます。
テニススクールでは、コーチがスクール生を指導する時に、あえて少し高く上げてドロップボレー気味に短いボールを打つことがあります。これはスクール生にボールをよく見て、短いボールにも反応できるようにやっていることで、スクール生同士のボレストでボレーヤーがやると顰蹙です。
中級レベルになると、ある程度ストロークのボールスピードが速くなりますので、ボレーする時にスライス回転をかけるなどして飛距離とスピードを調節する必要が出てきます。速いボールをフラットでボレーすると、バックアウトが多くなりますので、そのようなミスが多い人は、スライス回転で調節するようにすると良いでしょう。
もちろん、フラットでインパクトの瞬間の力加減やボレーを打ち出す時の上下方向の角度で調節することもできますが、スライス回転で調節する方が簡単ですし、ボレーにスライス回転をかける技術は上を目指すならば習得した方が良いでしょう。
中級レベルのボレストを観ていると、安定してボレーを長さを調節することも案外難しく、さらにはスウィートスポットを外したり、フレームショットになるなどして短すぎてしまうことも多いです。そうなるとボレストのラリーも続きませんので、まずはしっかりストローカーが打ちやすいところにバウンドさせるようにしましょう。
それができるようになったら、次は相手のフォア側とバック側を狙って打ち分けられるようになりましょう。さらに相手の正面も加えて3分割しても良いです。
ある程度のボレストの練習をした初心者・中級者のあるあるなのが、試合や試合形式の練習の時にボールを打ってきた相手の方へボレーを打ち返してしまうというものです。日頃の習慣というものがどうしても出やすくなり、あまりコースを狙わずに相手の方へボレーする練習ばかりしていると、いざという時も同じように打ち返してしまうわけです。
そのためいつものボレストの練習でも、上記のようにコースを狙ってボレーを打つようにすると良いでしょう。
ボレストのボレーのコツ
ある程度ボレストのラリーが続けられるようにボレーのスピードもコントロールすべきと上で述べましたが、それでもショートラリーのような緩いボールではさすがに遅すぎるでしょう。つまり、ラリーを続けることだけが目的にならないように、それなりのスピードで打つのが普通です。
まずボレーヤーのポジションを確認しましょう。ネットに近づき過ぎるのは望ましくなく、サービスラインの1歩前ぐらいのポジションを取ります。
ボレーをするだけならば、ネットに近づくほどラケットに当てさえすれば相手コートに入りますが、ボレストはボレーを決めて勝つという練習ではありませんので、ネットにベタ詰めするのはよくありません。
たまにこの点を理解せず、ボレーをしながら前に詰めてきてしまう人がいますが、試合であれば簡単にロブで頭上を抜かれてしまいます。したがって、試合でもそんなにネットに近い位置にいる状況はほとんどないわけです。
ボレストでロブで抜かれることはありません(やりません)が、試合でのボレーにも役立つように、サービスラインから1歩前に入った付近で構えます。そうすることにより、比較的速いボールでも少し時間的な余裕が生まれますし、速いボールをボレーしてもバックアウトする確率が下がります。
反対に難しくなるのは、ストローカーが打ったボールが自分のところに届く前にバウンドし、ハーフボレーで対処しなければならないケースが増えてくることです。ハーフボレーが苦手だからといって前に詰めようという方もいますが、試合ではハーフボレーしなければならない状況がありますので、しっかり練習しましょう。
ポジションを決めたら、次はしっかりスプリットステップをして、飛んで来るボールに準備することが大切です。そして、フォアボレーで打つのか、それともバックボレーで打つのかを素早く判断し、ボールの軌道にラケットをセットし、軸足を踏み出してポジションを調節するようにしましょう。
特に前述のように短いボールが来た時に、ローボレーをするのか、それともハーフボレーをするのかの判断を早くしましょう。
言葉で書くとこの様になるのですが、実際に飛んで来るボールに対し毎回このような準備をし、前述のようにしっかりコースを狙い、長さを調節してボレーをするということは、案外大変です。
これらがしっかりできるようであればもはや上級者ですので、できなくても雑にならないように丁寧に練習しましょう。
参考になるボレストのボレーの動画としては、以下の鈴木貴男氏が秀逸です!
まとめ
ボレストのボレーについて紹介しました。初級者から上級者まで誰もがやる練習メニューですが、しっかりやろうとするとかなり難しく、ボレーの良い練習になりますので、丁寧に練習しましょう。
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