テニススクールの練習では、定番の練習メニューがあります。その中の代表的なものの内の1つがショートラリーです。短い距離でストロークでゆるいボールを打って、ラリーをするものですが、案外苦手としている人が少なくありません。そんな人のためにコツを伝授します!
テニスのショートラリーが苦手な人は多い
一般的にはテニスコートのネットを挟んで向かい合い、サービスラインの少し後方ぐらいの位置でストレートにストロークを打ってラリーをします。強く打つのではなく、ウォーミングアップを兼ねて緩いボールを打ち、サービスボックスの中に入るように打ちます。ミニテニスと呼ばれることもあります。
基本的にはフラットでハーフスイングで当てるような打ち方ではなく、スプリットステップ、フットワークを使って正しい打点に入り、しっかりスイングして緩いボールを打つようにします。ショートラリー用の特殊な打ち方をするのは望ましくなく、できるだけテニスの試合でのストロークに近いようなフォームで打つことが大切とされています。
これは「テニスはそもそも対人競技であり、試合で自分のパフォーマンスを発揮できるように練習する」という考え方がベースにあります。つまり、試合ではあり得ないような特殊な打ち方を練習でするのは、「練習のための練習」になってしまう可能性が高く、推奨されないわけです。
それではショートラリーと同じ状況が試合であるのかというと、必ずしもそうではないですが、ショートラリーのような緩いボールを打つことはありますし、自分がゆるいボールをコースや長さをコントロールして打つことがあるわけです。2人でペアになって練習するわけですので、それが短い距離でのラリーとして練習するのは意味があるわけです。またウォーミングアップとしても意味があります。
テニススクールの上級クラスと初級&中級クラスのショートラリーを見比べてみるとすぐにわかりますが、上級者はスムーズにショートラリーをしているのに対し、初級者&中級者のショートラリーは乱れていることがほとんどです。実際、初級者&中級者に聞いてみると、苦手意識を持っている人が多いです。
テニスのショートラリーが苦手なのはなぜ?
テニススクールでは、多くのクラスでレッスンの前半でショートラリーをするにもかかわらず、なぜ苦手な人が多いのでしょうか?
ショートラリーが苦手な人でも、必ずしもボレストのストロークやベースライン間のストロークのラリーが苦手というわけではありません。ボレストやベースライン間のストロークラリーでは、ある程度のスピードのボールを少なくともコートの縦方向の半面以上の距離を打って飛ばします。それなりのスイングスピードでスイングしますので、スムーズに打てます。
このようにある程度のスピードと距離を打つストロークでも、手出しでほぼその場で出されたボール(自分の方に飛んでくるボールではなく、軽く上に上げられたようなボール)を打つのは案外難しいです。しっかり、足を使って打点に入り、正しいスイングで捉えなければならないからです。
さらに打ったボールの飛距離を抑え、相手が打ちやすいようにスピードも抑えようとするとさらに難しいことがやってみるとわかります。スイングスピードだけで飛距離とスピードをコントロールしようとすると、非常にゆっくりスイングしないといけないので、テイクバックからインパクトまでのタイミングを合わせるのが難しくなります。また当てるだけのハーフスイングで、フォロースルーが無くなってしまうと良い練習になりませんが、フォロスルーまで大きく取ると飛距離が出過ぎてしまうことがあります。
このような要素がショートラリーを難しくしているポイントです。それではどのように打てば良いのでしょうか?次項でさらに解説します。
テニスのショートラリーのコツは?
まずやってみるとわかりますが、スライスで打つ時は比較的ショートラリーがやりやすいです。スライスの場合、リストを固めてボレーの延長のような打ち方でインパクトするので、緩いボールを緩く返球するのはスイングスピードとインパクトでの力加減でコントロールしやすいです。
どちらかというとスピン系の球種が難しいです。通常のストロークでは、ある程度のヘッドスピードが無いと良いスピン回転がかからないため、リストも使ってスイングしていきます。それと同じ打ち方で緩いボールを緩く打つというのは無理があります。
まずテイクバックを小さくしましょう。高速のサービスをリターンするときのように、打点のすぐ後ろにラケットをセットするぐらいまでテイクバックを小さくしても良いでしょう。その時も前側の肩を入れて、小さめのユニットターンをしましょう。テイクバックが小さければ、インパクトまでのラケットを動かす距離が短く、それほどラケットを加速させずにインパクトすることも簡単になります。インパクト後もラケットを止めずにフォロースルーをしましょう。
慣れてきたら、もう少し通常のストロークのテイクバックとユニットターンに近づけていっても良いでしょう。その時にボールが飛び過ぎたり、スピードが出過ぎるようでしたら、ボールの軌道を高くし、スイングのエネルギーを回転に変えるようにしましょう。そうすることにより、しっかりスイングしながら飛距離とスピードを調整できます。
またよくある失敗は、緩いボールが来ると自分の動きまでそのテンポに合わせてスローになってしまうこと。相手との距離が近いので、ボールのスピードが速くなくても素早く足を動かさないと正しい打点に入れず、フォームが崩れてしまうことがあります。しっかりスプリットステップし、ボールの軌道を予測して動くことが求められます。
ここに上級者と中級者の差が出るようです。つまり、中級者は普通のストロークラリーの時にもスプリットステップができていなかったりするため、ショートラリーのような緩いボールではさらにスプリットステップをしていないことが多いです。さらに緩いボールであるため、しっかり軌道を予測することも疎かになりがちです。
しかし、心配は要りません。スプリットステップとボールの軌道を予測する練習をして、意識してやるようにすれば良いわけです。それによって上級者にレベルアップできる可能性が高くなります。
まとめ
テニスのショートラリーは、苦手意識がある人が多く、中級レベルまででは上手く打てていない人が少なくありません。上級者はスムーズにやっていますので、ショートラリーを観るだけでも実力に一端が垣間見れます。テニスの実力に直結するエッセンスが含まれているということでしょう。しっかりマスターしましょう。
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