テニスを始めて中級レベルぐらいになると、フォアハンドストロークとバックハンドストロークはトップスピンとスライスを打ち分ける練習をします。
特に片手バックハンドの場合、トップスピンの習得が難しく、安定して打てるようになる頃には上級者になっていることが多いようです。
ある意味上級者に昇格するための最後の関門的なショットでもあり、初級者・中級者からみれば憧れのショットですね。
スライスは「ある程度打てる」というレベルには比較的簡単になることができますが、「上級者のような質の高いスライス」と比べると大きな差があります。
片手バックハンドでこれらの上級者レベルのトップスピンとスライスをマスターするためには、まずグリップの握り方と手首について確認しましょう。以下に紹介します。
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テニスの上級者の技術!中級からレベルアップするために!
テニスの片手バックハンドのグリップの握り方と手首は?
スライスのグリップと手首
片手バックハンドのスライスについては、コンチネンタルグリップが基本です。トッププロもほとんどの選手がコンチネンタルグリップでスライスを打ちます。好みに合わせて少し薄く握る、少し厚く握るなどのグリップを選択する人もいます。
これも「少し」というレベルであって、ウエスタングリップのような極端に厚いグリップでスライスを打とうとするトッププロはいません。合理的ではないからです。
手首は、手の平側・甲側に曲げず、バックボレーのようにコックを固めたままスイングします。
これらについては、あまり選手による個性も少なく、ほぼ共通しているので、目標が設定しやすいです。
トップスピンのグリップと手首
片手バックハンドのトップスピンのグリップについては、トッププロでも個性があります。
歴史的にはかつてはプロもコンチネンタルグリップで打っていましたが、ラケットの進化とトップスピンで強打するプレースタイルが主流になるとともに、より厚いグリップを選択する人が多くなっています。
それでもウエスタンだけではなく、セミウエスタン、イースタンなどのグリップで打っているプロもいますし、一般のアマチュアであればこれらのどのグリップを選んでも問題はないでしょう。
理解すべき点は、グリップが厚くなるほど打点が前になること、手首の使い方で面の開きが変わることです。
トップスピンを打つ時に、ウエスタングリップやセミウエスタングリップなどの1つのグリップを選択し、手首とスイングで調整して打つという方法が主流と考えられます。しかし、どのような軌道のショットを打ちたいかによって、グリップそのものを変えて打つという方法を選んでいる人もいます。
以下に解説するように、いくつか試してみながら自分に合うグリップと手首の使い方を探してみましょう。
テニスの片手バックハンドのグリップ薄くしてみる
片手バックハンドでのトップスピンの打ち方を解説している動画やテニス雑誌を見ると、ウエスタングリップからセミウエスタングリップ程度の厚いグリップを推奨しているものがほとんどです。
これは間違っていませんし、プロでも強烈な片手バックハンドのトップスピンを打つ選手は、このような厚いグリップを選んでいることが多いです。
しかし、トッププロの動画や写真を見ても、簡単にはどのグリップで打っているのか断定できないことが多いです。それは見る角度にもよるのですが、どのような位置からどのようなショットを打つ時に、どのようなグリップを選択し、手首をどのような角度にしているのかをすべてチェックしないと判断しにくいからです。
相手のボールスピード、球種、コース、自分の打ちたいショットの軌道とスピード、打点などによって、グリップと手首を変えている可能性も否定できません。つまり、数分程度の動画や数枚の写真だけでは断片的なことしかわからないわけです。
動画や写真に写っていたグリップや手首の使い方も事実であることには違いないので、それらを参考にしつつ、自分で試してみた結果・感覚を大切にしてセンスを磨き、自分のバックハンドを確立しましょう。
もし、現時点でウエスタンからセミウエスタングリップで打っていて、ボールの軌道が低くドライブのようなショットになってしまい、ネットミスも多いならば、少し薄いグリップに変更してみることをおすすめします。
トップスピンのメリットは、強烈な順回転によりボールが急激に落ちるため、ボールスピードを上げても相手コートに収まりやすくなること、さらに山なりの軌道にすることでネットミスを減らせること、バウンド後に跳ね上がることで相手が打ちにくくなることです。
中級者ならば、片手バックハンドのトップスピンで攻撃を考えるのではなく、高い軌道のトップスピンを打ち、ネットミスとバックアウト、サイドアウトを減らし、簡単には攻め込まれないような「堅牢なバックハンド」を目指しましょう。
そのためには低い軌道のドライブ気味のショットでは、スピードが速くなり過ぎ、ネットミスも多くなるので、改善が必要です。
トップスピンはインパクトの前後でラケットが下から上に動き、ボールにしっかり回転をかけなければなりません。トップスピンを打とうとしているのにドライブ気味になってしまう人は、インパクトの前後でラケットが上下の動きよりも前後の動きの方が強くなってしまっている可能性があります。
それは打点が理想的な位置よりも後ろになっている場合に起こりやすいですし、スイングそのものの修正が必要な場合もあります。ウエスタングリップの打点は、かなり前なので、それが感覚的に理解できていない場合にこのようなことが起こりやすいです。
また面の向きも重要で、打点で面が垂直よりも伏せていると、ボールが下に行き、ネットミスが増えます。特に低い打点では、一度ネットを越えられる高さまで上げないと行けないのですが、面を伏せた上に、インパクトで下から上へのラケットの動きが小さいとボールが上がりません。
一度、思い切ってグリップを薄く握ってみると、これまでと同じ打ち方をすると面がより上を向きますので軌道も上に修正できます。低い打点ならば、面が垂直よりも上向きになってもむしろちょうど良いです。
またグリップを薄くすることで、打点が後ろになりますので、打点をウエスタングリップに適しているほど前にすることに慣れていない人にも対応しやすくなります。
テニスの片手バックハンドのグリップと手首でフェイスアップ
グリップを薄くすることで、面が伏せ気味になるのを防ぎ、ネットミスを減らせるでしょう。さらにしっかりボールに順回転をかけるには、インパクトの前後でラケットが下から上に動くスイングを習得する必要があります。
ストロークの練習をする時に、手出しでボールを出してもらい、打つことがありますが、スピードがあまり無く、むしろ上下の動きの方が大きいボールを、ウエスタングリップで下から上にスイングしてスピンをかけるのは案外難しいです。このことが片手バックハンドでスピンをかける感覚がつかみ難い原因の一つです。
グリップを薄くして、インパクトでのラケット面をコート面に対して垂直よりも少し上向き程度にし、中ロブのトップスピンを打ってみましょう。これによりスピードの無いボールでも順回転がかけられるということが理解できますし、いわゆる「フェイスアップ」の面を開いた状態で打てることが確認できます。
ラケットのスイング軌道方向にラケット面が垂直になっているとフラットにボールを捉えます。トップスピンを打つ時のように、ラケットが下から上にスイングされる時は、コート面に対して垂直よりも上にラケット面が向いていても、スイング方向に対してフラットよりも伏せた状態になっていれば順回転がかけられるわけです。
この原理が理解できれば、片手バックハンドのトップスピンの上達は速くなります。まず下から上へのスイングを固め、そのスイングをベースにグリップと手首の背屈でラケット面の角度を調節し、ボールの軌道を調節できるようになるからです。
低い打点から高い打点までのどこからでも、ネット上の高い位置を通し、相手バック側の深い位置で高くバウンドするようなボールが打てれば、簡単に相手に攻め込まれないようなショットとなるでしょう。
まとめ
テニスの片手バックハンドのグリップの握り方と手首の調整について紹介しました。グリップを少し薄くして、スピンをかける感覚をつかめれば、上達が速くなるでしょう。
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