中級者のテニスでは、チャンスボールをボレーミスしてしまうシーンをよく見かけます。それはダブルスでもシングルスでも同様です。
サービス、リターンからお互いに工夫をして攻め、相手を追い込み、せっかくチャンスボールを上がってきたところでミスしてしまうとがっくりしますね。
難しいボールを高度なショットで打つよりも、チャンスボールをしっかり決めれば、相手にとっては「甘いボールを打つと決められてしまう!」という印象を与えますので嫌なものです。
またテニスは多くのポイントがミスで決まりますので、チャンスボールをしっかり決めるだけで勝率も上がります。
チャンスボールのボレーミスの原因と対策について解説します。
*正しい知識を獲得することがテニスの上達の近道です!
テニスのチャンスボールのボレーミス
テニスのチャンスボールのボレーミスと言ってもいくつかのパターンがあります。ここでは相手からの返球がゆるく、浅くなり、フラフラと上がってきて、本来ならば決めボレーあるいはドロップボレーを簡単に打てるようなパターンを考えてみます。
このようなボールが返ってきたら、通常は「チャンスボール!」と考え、チャンスを逃さないように打ちに行きますが、これを当たり損ねてネットにかけてしまうミスが案外多いです。
シングルスであれば、ストロークで相手を追い込み、なんとか返してきたボールがギリギリネットを越えてくるとこのようなチャンスボールになることが多いです。ストロークからチャンスがあればネットに出てボレーで決めようという意識があれば、このようなボールが来た途端、すぐに前にダッシュできるでしょう。
そのような意識がなければドロップショットのように決まってしまうこともあるので、反応してボールに追いつけるだけ良い対応と言えますが、最後にボレーミスしてしまうともったいないです。
ダブルスでも、雁行陣の前衛、あるいは平行陣の前衛と後衛の前にフラフラとチャンスボールが来て、前にダッシュしてボレーをしようとする時にネットミスしてしまうともったいないです。
これらに共通しているのは、ゆるく、短いボールなので、前にダッシュして打たないといけないこと、チャンスボールなので「決めなければ!」という気持ちになりやすいことです。これらがミスの主要な原因となります。
これらを理解すれば、対処方法は見えてきます。さらに詳しく見てみましょう。
ゆるく短いボールをボレーするのは難しい
ものすごい強烈なストロークを打ち込まれると、ボレーをするのも難しくなりますが、中級レベルの人が試合である程度確率よく相手コートに入れられる程度のスピードであれば、むしろ打ちやすい場合があります。
1〜2歩ぐらいでボレーできるところに適度のスピードで向かってきてくれるならば、基本的には面を作って合わせればボレーすることができるからです。
ネットよりも低い打点でボレーすることになっても、それをチャンスボールとは認識せずに、丁寧にボレーしようという意識が強くなるのでミスは少なくなります。
仮にミスしたとしても、チャンスボールと認識していないので、焦りませんし、難しいボールをどうすれば打ち返せるようになるか考え、練習する方向に意識が向くことが多いです。
しかし、ゆるく短いボールならば、「チャンスボール!」と瞬時に考えますので、ネットミスしてしまうと頭の中が真っ白になりがちです。まずボレーの場合、自分のポジションのところまでボールがノーバウンドで届かず、もっと短いボールとなり、スピードもゆるいと打つのは簡単ではないということを認識しましょう。
短いボールは前に出てボレーするか、ワンバウンドさせてハーフボレーするかすぐに判断しなければなりません。それなりにスピードがあるボールを打ち合っていて、いきなり遅いボールが来ると、緩急差があり過ぎて、イメージしたよりもさらに短くなる場合があります。
つまり、決めボレーを打てると思って前に詰めたら、イメージよりもさらにボールが短く、もっと前に詰めていかなければならなくなってしまうことがあります。そうするとボールに追いついてラケットに当てることで精一杯になり、ステップが合わずに当てるだけになり、ネットミスに繋がりやすいです。
緩いボールを打つときほどステップが重要で、軸足を決め、自分の打点・スイングでボレーすることが基本です。
これは比較的に簡単にゆるいボールに追いつける時にもミスの原因になります。ゆるくフラフラと来たボールに合わせて、足の動きもゆっくりになってしまうことがあるからです。ゆるく山なりのボールほど、上下の動きが大きく、スウィートスポットを外してネットミスになることが多くなります。
このようなミスを減らすには、練習の時に常に遅いボールでもしっかりスプリットステップをし、軸足、踏み込み足を丁寧に意識してボレーすることが大切です。上級者は必ずそのような練習をしています。
チャンスボールに力まない!
もう一つよくあるミスは、「チャンスボール!決めなければ!」という意識になり、力んでボレーミスするパターンです。これはメンタルの部分も関わってきますので、技術だけでなく考え方から修正していく必要があります。
まず前述のようにゆるく短いボールは、決められるチャンスであることは間違いありませんが、必ずしも決めることが簡単なわけではありません。「チャンスですが難しいボール」と考えた方がよいでしょう。
それでも「チャンス」ということで力んでしまうようであれば、「チャンス」と考えず、「難しいボール」とだけ考えた方がよいでしょう。
そのような考え方になれば、力むことが減り、「慎重に打とう!」ということに意識が集中できるでしょう。これはテニスという競技のあらゆるショットに通じる原則なのかもしれません。
特にプロではない一般のテニスプレーヤーの場合は、同じレベル同士の試合ならば、ポイントの多くはミスで決まります。したがって、すべてのショットをオーバーパワーせずに、自分がコントロールできる範囲で打つべきであり、チャンスボールも特に意識せずに他のショットと同じレベルに意識で打つべきなのでしょう。
特にネット付近のフワフワと来たボールであれば、一度落としてから落ち着いてストロークを打ち込んでも非常に前から打てるので決められる可能性が高いです。常に冷静に、自分がコントロールできる範囲で打つことは重要です。
まとめ
テニスのチャンスボールをボレーミスする原因と対処方法について解説しました。
ダブルスの前衛のポジションについてこちらの記事で紹介しています!
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